その他のニッケルチタン合金製ファイルとの相違
現在、国内でもすでにクァンテックやプロファイルなどのニッケルチタン合金製ファイルが市販されており、臨床的にも高い評価を得ている。ライトスピードは、彎曲根管であっても、本来の根管の形態を損なうことなく、根管の追従性が良く、レッジ・ジップ・パーフォレーションなどの危険性がきわめて少ない点は、他のニッケルチタン合金製ファイルと同様である。これらのファイルとライトスピードの主な相違点について述べてみる。
・使用する回転数の違い
ライトスピードで使用するエンジンの適正回転数は、750〜2.000rpmであり、クァンテックやプロファイルの回転数200〜350rpmに比べて、高回転数である。
・根管の切削様式とファイルにかかるトルク
クァンテックやプロファイルの場合、図4のようにファイルのテーパーを利用し、刃部の上部が切削を始め、徐々に刃部全体の切削に移行し、大きなトルクが生じる。これに対し、ライトスピードは、図5に示すように、先端の短い刃部のみでの切削が行われ、生じるトルクが小さい。そのため、ライトスピードは、破損しにくい。
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図4 テーパーのあるファイルでの切削形態の模式図 |
図5 LIGHT
SPEEDの切削形態の模式図 |
LIGHT SPEEDの使用方法と注意点
根管形成終了までの使用手順は、
1. 15号以上のKファイルで根管の開通
2. 根管長を測定し、作業長を決める
3. ライトスピードを手にもって試適
作業長に達する直前に、接触抵抗感(First Light Speed Bind)を得たライトスピードからハンドピースに取り付けて形成を開始する。
4. 根尖域の形成(ペッキングの回数を数える)
中間番手をとばすことなく、順次ライトスピードの番手を上げて根管形成をする。徐々に根管の切削抵抗が生じるため、それに応じて、ペッキングモーションにて、ライトスピードを進める。ペッキングとは、鳥がくちばしでコツコツとつつくような操作のことである。シャフトが曲がったり、先端が逃げてしまうような無理な力を加えることなく、適正な挿入圧が必要である(図6)。作業長に到達するまでに、このペッキングの回数が12〜16回必要となった号数での根管形成が終了すると、根尖域の根管をクリーンにするのに十分なサイズ(直径)となり、根管は真円となる。このときのライトスピードをMaster
Apical Rotary(MAR)とする(図7)。
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図6 20号でこのようにシャフトが曲がるようでは、力の加え過ぎである。破損の一因となる。 |
図7 MARまで形成すると、根管はクリーンになり、楕円形の根管が真円となる。 |
5. ステップバック形成(ペッキング回数を数える必要はない)
MAR以降、1mmごとに4サイズ上げた号数までステップバック形成をする。
6. 根管中間部の形成(1ライトスピードあたり4回のペッキングで終了)
4mmステップバックした後は、5サイズ上げた号数からは、切削感覚(By Feel)で、4回のペッキング分だけ、ライトスピードを進める。長さを計測する必要はない。最終的にMAR+25号のサイズまで形成。
7. リカピチュレーション(反復挿入清掃)
最後にMARのライトスピードを挿入し、根管の開通を確認する。これで根管形成が完了する(図8)。なお、作業中、ライトスピード3本使用したら根管洗浄を行うことを、忘れてはならない。図9〜図12に症例を供覧する。
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| 図8 根管形成完了時の根尖より8・上部での横断面。根管全体がこのように真円となっている。 |
各々のライトスピードの使用回数は、破損を未然に防ぐために、通常の彎曲程度の根管であれば、最大で20〜47.5号までが24根管、50〜100号で48根管までの使用が可能である。ただし、彎曲が強度な場合、その程度に応じ、1症例から数症例で交換する必要がある。また、急激な彎曲根管は、エンジンを使用せず、LIGHT
SPEED手に持って形成することが望ましい。
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| a:症例1:76術前. b:症例1:術後 6は根管の形態が彎曲なりに保持されている.
7は根管が太い2根管のケースである. |
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| a:症例2:7術前b:術直後 近心根が2根管共根尖部50号,遠心根1根管根尖部65号,根管開通確認後,3根管の根管形成が約10分で終了し、即時根管填塞. |
まとめ
ライトスピードは、今までと違った全く新しい概念であると同時に、その使用にあたっては、全く違った形成手法の習得が必要である。使用前に、セミナーの受講及び使用法についてのマニュアルやインストラクションビデオを良く見て、また、透明根管模型や抜去歯牙にて練習をしてから、臨床に使用することで、効率的で、良好な成果の根管治療を行うことができる。